工務店のプレスリリースは、地域メディアや業界紙との関係をつくる、もっとも費用のかからないPR手段です。
発信におすすめのネタは、
完成見学会、地域貢献・地域活動、新サービス発表、独自調査など。社内では当たり前になっている出来事の中にあります。
リリースはタイトル・リード・本文・会社概要・問い合わせ先・写真の6要素で構成すれば、初めてでも形になります。送り先は地元紙・地域情報サイト・業界紙から探し、送ったあとのひと声が掲載率を左右します。
文章の下書きはAIに任せて構いませんが、「何を語るか」「事実に間違いがないか」の判断だけは社内に残してください。この記事では、その手順を順番に解説します。
「プレスリリースってなんですか? 聞いたことはあるけど、何をするものなのか分からない」
——工務店・リフォーム会社の広報担当の方から、よくいただくお声です。
プレスリリースは大企業だけのものではありません。むしろ地域に根ざした工務店こそ、地元メディアに取り上げてもらえる可能性が高いのです。
この記事では、ネタの見つけ方から送付後のフォローまで、初めての方でも実行できる手順をお伝えします。書く作業はAIの力を借りて短時間で。ただし、判断は社内に。その進め方も併せてご紹介します。
プレスリリースとは
プレスリリースとは、会社の新しい出来事や取り組みを、新聞・テレビ・雑誌・Webメディアなどの報道機関に向けて知らせる公式の文書のことです。「ニュースリリース」もほぼ同じ意味で使われます。
広告との最大の違いは、「誰が語るか」です。広告は掲載枠を買って自社が語るもの。プレスリリースは、記者が「これはニュースになる」と判断したときに、メディアが記事として語ってくれるものです。掲載料は原則かかりません。そのかわり、掲載されるかどうかはメディア側の判断に委ねられます。
読者から見ると、会社が自分で言うことより、新聞やテレビが取り上げたことのほうが信頼されやすいものですよね。
この「第三者からの信頼」を費用をかけずに得られるのがプレスリリースの価値です。地域の話題を常に探している地元メディアにとって、工務店の活動は貴重な情報源でもあります。
なぜ工務店にプレスリリースが効くのか
プレスリリースは広告ではなく、地域メディアとの「関係づくりの入口」だからです。地方紙、地域情報サイト、業界紙の記者は、常に地元のネタを探しています。
工務店の完成見学会や地域活動は、彼らにとって記事の材料になり得ます。一度取り上げられると、記者との接点が生まれ、次のネタも声をかけてもらいやすくなります。掲載記事は第三者の視点で書かれるため、自社発信の広告よりも信頼されやすく、ホームページやSNSで二次利用もできます。
費用はほぼゼロ。かかるのは手間だけです。だからこそ、手順を知って社内でまわせるようにしておく価値があります。広報全体の位置づけについては、「工務店広報の始め方|採用も外注もせず社内で「継続できる広報」をつくる全体像報」も併せてご覧ください。

手順1:ネタを見つける——特別な出来事でなくていい
リリースのネタは、社内で「いつものこと」になっている出来事の中にあります。
特別なニュースを待つ必要はありません。たとえば次のようなものが候補になります。
完成見学会やモデルハウスの公開。地域の清掃活動や小学生の職場見学の受け入れ。省エネ住宅や耐震改修など新しい商品・サービスの開始。コンテストの受賞や認定の取得。創業周年や社員の資格取得。ポイントは「地域性」「時事性」「社会性」のどれかに引っかかるかどうかです。
例えば…
〇断熱改修なら光熱費高騰という時事性に、
〇職場見学なら地域の教育という社会性に、つながります。
月に一度、社内で「先月あった出来事」を10分書き出すだけで、ネタ切れはほぼ起きません。
手順2:基本構成に沿って書く——6つの要素で形になる
結論:プレスリリースはタイトル・リード・本文・会社概要・問い合わせ先・写真の6要素で構成します。タイトルは30字前後で「誰が・何を・いつ」を入れ、リード(冒頭の3〜4行)で概要をすべて言い切ります。記者は最初の数行しか読まないことも多いためです。本文では背景や想い、具体的な内容を補足し、会社概要と担当者の連絡先を末尾に置きます。写真は現場や人の顔が写ったものを2〜3点添えると、掲載率が上がります。ここで活躍するのがAIです。ネタの概要と日時・場所などの事実を箇条書きで渡せば、下書きは数分でできます。ただし、日付・数字・固有名詞の確認と、「この表現でうちの会社らしいか」の判断は、必ず社内の目で行ってください。ここを外注やAIに丸投げすると、間違ったまま世に出るリスクと、ノウハウが社内に残らないという二重の損失が生まれます。
手順3:送り先を探し、送る
プレスリリースの送り先は「地元紙・地域情報サイト・業界紙・テレビの地域枠」の4系統から探すのが基本です。
地元新聞社のサイトには「情報提供」「投稿」の窓口があることが多く、なければ代表窓口にリリース送付先を問い合わせて構いません。
地域のフリーペーパーやWebメディアも有力です。業界紙は住宅・建設系の専門紙をリスト化しておきます。送り方はメール本文にリリースの要点を書き、PDFと写真を添付するのが一般的です。件名は「プレスリリース:◯◯(社名)」と分かりやすく。
はぐくむの場合は、地域のメディアとのつながりがないので、配信サービス(PR Times・アットプレス)を活用しています。送付先リストは一度つくれば資産になります。エクセルなどで媒体名・窓口・送付履歴を管理しておくと便利ですよ。
手順4:出したあとのフォローが掲載率を分ける
名刺交換をしたメディア担当者にプレスリリースを送る場合は、送りっぱなしにせず、数日後にひと声かけることで、掲載の可能性は大きく変わります。
送付から2〜3営業日たったら、「先日お送りした◯◯の件、ご不明点はありませんか」とメールで確認します。売り込みではなく、補足情報の提供という姿勢が大切です。
もし取材の打診があれば、日程調整と資料準備を最優先で対応します。掲載されたら御礼を伝え、記事は許諾の範囲でホームページやSNSに展開します。掲載に至らなくても、記者に名前を覚えてもらえれば次につながりますよ!
メディアに掲載された後の活かし方は、メディア掲載・認知度で詳しく解説しています。
やりがちなNGと、社内に残すべき「判断」
もっとも多い失敗は「宣伝文をそのまま送ること」と「担当者任せの属人化」の2つです。
例えば…「高品質な住まいを手の届く価格帯で」といった宣伝文句は、記者には響きません。メディアが求めるのは事実とニュース性です。
また、リリース業務が特定の担当者の頭の中にしかない状態も危険です。担当者が辞めた瞬間、送付先リストも記者との関係も消えてしまいます。
ネタ出しの基準、送付先リスト、フォローの手順を簡単な文書にしておくだけで、この属人化は防げます。書く作業はAIや外注に任せてよいのです。
しかし「何をニュースとして語るか」「どの事実を出すか」という判断まで丸投げすると、社内には何も蓄積されません。判断は社内に、作業は外へ。この線引きが、続けられる広報の条件です。全体設計は「工務店の広報戦略|小さな組織でも回る4ステップと続く運用の作り方」をご覧ください。

よくある質問(FAQ)
Q. プレスリリースはどのくらいの頻度で出すべきですか。
A. 目安は2〜3か月に1本です。無理にひねり出すより、完成見学会や地域活動など実際の出来事に合わせて出すほうが続きます。まずは年3~4本を目標に、ネタ出しの習慣をつくることをおすすめします。
Q. 文章が苦手でも書けますか。
A. 書けます。事実を箇条書きにしてAIに下書きさせれば、たたき台は数分で用意できます。大切なのは文章力よりも、日付や数字の確認と「何を伝えるか」を決めること。そこは社内にしかできない仕事です。
Q. 配信サービスと個別送付はどちらがよいですか。
A. 地域密着の工務店やリフォーム会社なら、まず地元メディアへの個別送付をおすすめします。数は少なくても読まれる確率が高く、記者との関係も築けます。全国に届けたい話題ができたときに、配信サービスを検討すれば十分です。
Q. 掲載されなかったら失敗ですか。
A. 失敗ではありません。リリースは掲載だけが成果ではなく、送付先リストの蓄積や記者との接点づくりも財産になります。数本続けるうちに、メディアが反応するネタの傾向も社内に見えてきます。
まとめ
プレスリリースは、費用をかけずに地域メディアとの関係をつくれる、工務店やリフォーム会社に向いたPR手段です。
ネタは日常の中にあり、AIを活用しながらリリースを書いた後は地元メディアに個別に送り、数日後にフォローする。配信代行会社に依頼する方法も良く活用されています。
この手順を一度まわせば、二度目からはずっと楽になります。そして忘れないでいただきたいのは、下書きはAIに任せても、「何を語るか」の判断は社内に残すこと。その積み重ねが、担当者が替わっても続く広報の土台になります。
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