リフォームの施工事例で、いちばん反応が取れるのがビフォーアフターです。変化が一目で伝わるので、文章を読まない人にも1秒で理解できるコンテンツだからです。
ところが、実際のページを拝見すると「before」「after」と並べただけで、正直あまり伝わっていないケースが少なくありません。原因はほぼひとつ。撮影の位置と、見せる順番が決まっていないことです。
この記事では、伝わるビフォーアフターの3つの条件と、記事の組み立て方をまとめました。カメラの腕は要りません。必要なのは段取りだけです。
伝わらないビフォーアフターに共通する3つの原因
① 撮影位置が違う。ビフォーは 入口から広く、アフターは寄りで撮影。同じ場所なのに別の家に見えて、変化が比較できません。
② 明るさが違う。ビフォーは照明を点けずに薄暗く、アフターは晴天の日中。これでは「工事が良かった」のか「天気が良かった」のか分かりません。
③ 変化の理由が書かれていない。写真だけ並んでいても、読者は「きれいになった」で終わります。なぜその形にしたのかが分かってはじめて、会社の考え方が伝わります。
裏を返せば、同じ位置・同じ明るさ・理由をひとこと。この3つを守るだけで、ビフォーアフターは一気に伝わるものになります。
鉄則は「同じ位置から撮る」。それだけで別物になる
ビフォー撮影のとき、立った場所にテープを貼るか、スマホで足元を1枚撮っておいてください。工事完了後、同じ場所に立って同じ画角で撮る。たったこれだけで、見比べたときの説得力がまるで違います。
見落としがちなのが、ビフォーは調査・見積もりの段階で撮っておく必要があるということ。着工してからでは、もう元の姿は撮れません。「契約前の現地調査で撮る」を、社内のルールにしてしまうのがおすすめです。
撮る位置・場面の決め方は、こちらで詳しく解説しています。
→ 施工事例の写真の撮り方|スマホでOK・撮るべき5場面とキャプション文例
現地調査で撮るときの、実際のルール
内観なら、現地調査のときに部屋の四隅から撮ってください。四隅から撮っておけば、完成後にどこから撮ればいいか迷いません。
カメラの高さは、高すぎても低すぎてもうまくいきません。天井と床のちょうど中間あたりが目安です。一般的な天井高は2,400mmなので、その半分の1,200mmくらい。この高さで撮ると、縦横のゆがみが出にくくなります。覚えにくければ、女性の目線より少し低いくらい、と思っておくと違和感のない写真になります。
撮ったあとは、施工前・施工中・施工後の3つのフォルダに分けて保存しておく。これだけで、記事を書くときに「あの写真どこだっけ」で探す時間がなくなります。撮ることより、あとで見つかる形にしておくことのほうが、実は続けるうえで大事です。
生活用品が写り込んだビフォー写真は、どうするか
ビフォーの写真には、生活用品が写り込むことがよくあります。工事前の家は、本当に「普段着」の姿です。洗剤のボトル、タオル、子どもの持ち物。そのまま載せると、変化より先にそちらへ目が行ってしまいます。
対処はふたつ。ビフォーだけモノクロにして生活感を控えめに見せる方法と、最近増えているAIで写り込みを消す方法です。どちらも、変化そのものは損なわずに、見せたくない部分だけを後ろに下げられます。
もうひとつ、載せないという判断もあります。施主の立場になって「これは出したくないかもしれない」と感じたら、ビフォーを掲載しない。それでいいと思います。ビフォーアフターは効きますが、施主との関係を削ってまで載せるものではありません。
並べ方は3パターン。工事の内容で選ぶ
| 並べ方 | 向いている工事 | 効果 |
|---|---|---|
| 左右に並べる | キッチン・浴室など一室の改修 | 変化が同時に見えて、いちばん分かりやすい |
| 上下に並べる | スマホ閲覧が多い場合 | 縦スクロールで自然に見比べられる |
| ビフォー→工事中→アフター | 断熱・耐震など見えなくなる工事 | 工事の中身が伝わり、価格の理由になる |
とくに3つめは、リフォーム会社にとって大事な見せ方です。壁の中の断熱材や、下地の補修は、完成後には一切見えません。工事中の1枚があるかどうかで、「この会社は見えないところをやる会社だ」と伝わるかどうかが決まります。
写真の下に添える、ひとことの型
キャプションは「キッチンです」ではなく、変化とその理由を書きます。使いやすい型はこれです。
(前の状態)だったので、(どうしたか)。その結果、(暮らしがどう変わったか)。
例:「調理中に家族の様子が見えない配置だったので、対面式に変更しました。お子さんの宿題を見ながら夕食の支度ができるようになっています」
ポイントは、最後を「設備の説明」ではなく「暮らしの場面」で終わらせること。読者は設備を買うのではなく、その後の暮らしを買っているからです。
文例のバリエーションはこちらにまとめています。
→ 施工事例の例文集|お客様の声・担当者コメントの文例と、本音を引き出す質問
ビフォー写真がない工事は、どうするか
すでに完了してしまった工事で、ビフォーがない。よくあることです。その場合は無理にビフォーアフター形式にせず、別の見せ方に切り替えます。
たとえば、お客様が抱えていた困りごとを文章で具体的に書き、アフターの写真を並べる。「冬の脱衣所が寒くて、家族が入浴を我慢していた」という一文があれば、写真がアフターだけでも変化は伝わります。
また、工事中の写真が残っていれば、それをビフォーの代わりに使えます。解体後の状態は、元の家の状態を十分に想像させてくれます。
ビフォーアフターを、ページのどこに置くか
撮り方と並べ方が決まったら、最後は置き場所です。同じ写真でも、記事のどこに置くかで伝わり方が変わります。
- 冒頭に1組だけ置く。読み始める前に「これは読む価値がありそうだ」と伝わります
- 残りは本文の該当箇所に分散させる。「壁を抜いた話」のすぐ隣にその写真がある状態が理想です
- 全部を冒頭にまとめない。上で満足されてしまって、その下の説明が読まれなくなります
- 一覧ページのサムネイルには、いちばん変化の大きい組を選ぶ
そしてビフォーアフターは、SNSでもいちばん反応が取れる素材です。Instagramなら、左右に並べた1枚を先頭に置く。記事へは本文からリンクをつないでおけば、1回の撮影が何か所でも働いてくれます。
よくある質問(FAQ)
Q. ビフォー写真が汚くて、載せるのが失礼にならないか心配です
A. その感覚は大切です。掲載前にお施主様に確認し、生活用品が写り込んでいる部分はトリミングしましょう。「工事前の状態も掲載してよいか」は、掲載許可を取るときに一緒に確認しておくと安心です。
Q. 写真の加工はどこまでしていい?
A. 明るさや傾きの補正までです。実物と違う色に加工したり、写っているものを消したりすると、来場時のギャップにつながります。ビフォーとアフターで加工の程度を揃えることも大切です。
Q. 何枚くらい載せるのが適切?
A. ビフォーアフターのセットが2〜3組、加えて工事中と全体の写真で、合計6〜8枚が読みやすい分量です。多すぎると、どこが変わったのか分からなくなります。
まとめ
伝わるビフォーアフターの条件は、同じ位置・同じ明るさ・変化の理由のひとこと。そして、ビフォーは契約前の現地調査で撮っておくこと。撮影の腕ではなく、段取りで決まります。
事例全体の組み立て方はこちら。
→ 施工事例の書き方|工務店が「選ばれる理由」まで伝える構成
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→ 施工事例のテンプレート完全版|そのまま埋める8項目と記入例
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