施工事例の「お客様の声」と「担当者コメント」、いつも似たような文章になっていませんか。「大満足です」「ありがとうございました」——間違ってはいないけれど、どの会社の事例にも貼れてしまう言葉は、読む人の心に残りません。
この記事では、そのまま参考にできる文例と、そもそも良い声を「引き出す」ための質問リストをセットで紹介します。文例は型として使い、中身は必ず自社の実際の工事の事実に差し替えてください。事実のない文章を作らないことが、いちばん大事なルールです。
お客様の声の文例|惜しい例と直した例

新築の場合
惜しい例:「とても満足しています。ありがとうございました」
直した例:「引っ越して最初の冬、朝リビングに降りたとき寒くないことに感動しました。前の家では考えられなかったことです」
違いは「暮らしの場面」があるかどうかです。満足という感想ではなく、満足した瞬間の情景を書く。読んだ人は自分の暮らしを重ねられます。
リフォームの場合
惜しい例:「きれいになって嬉しいです。工事も早くて助かりました」
直した例:「工事は2日で終わったのに、毎日の使い勝手がまるで変わりました。夜中のトイレが苦じゃなくなったのが一番です」
工期の速さは事実として残しつつ、変化の実感を主役にします。
担当者コメントの文例|業種別6本
お客様の声の隣に担当者の一言が並ぶと、「引き渡した後も繋がっている会社」だと伝わります。コツは、定型の挨拶ではなく、その現場の固有名詞をひとつ入れることです。
注文住宅
「打ち合わせのたびに、奥さまが持ってこられる雑誌の切り抜きが増えていくのが楽しみでした。あの吹き抜けは、3回目の打ち合わせで一緒に決めたものです。これからの季節、薪ストーブの使い心地もぜひ聞かせてください」
「土地の高低差をどう活かすか、設計と現場で何度も相談した家です。完成した土間から庭を見たとき、この土地で良かったと思っていただけたなら嬉しいです。1年点検でまたお会いしましょう」
リフォーム
「解体してみないと分からない部分が多い工事でしたが、その都度現場で確認いただけたおかげで、納得の仕上がりになったと思います。対面キッチンでの新しい毎日、楽しんでください」
「『今の家の好きなところは残したい』というご要望が印象的でした。あえて残した柱が、新しい空間の主役になりましたね。困りごとがあれば、いつでもお電話ください」
外壁塗装
「色決めの際、大きな板のサンプルを外の光で一緒に確認したのが良かったと思います。仕上がりの色は、曇りの日もきれいに見えるはずです。10年後の塗り替えまで、定期点検で見守らせてください」
「足場がある間に、と屋根の点検も一緒にご提案しました。外壁と屋根を同時にやれたことで、費用も工期も抑えられた事例です」
ここから先は、文例ではなく「実際に聞くとき」の話です。写真を一緒に見ながら聞くやり方や、「こだわりは特にないです」と言われたときにどうするかは、動画でも解説しています。
良い「お客様インタビュー」は質問で決まる|本音を引き出す7つの質問
文例を真似る前に、実は大事なことがあります。良いお客様インタビューは、書き方ではなく聞き方で決まります。
というのも、お客様は「いい感想」を隠し持っているわけではありません。アンケート用紙を渡して「ご自由にお書きください」とお願いしても、冬の朝の感動は出てきません。書けないのではなく、思い出せないんです。
私は仕事柄、これまで1,000人以上のお施主様や現場の方に取材をしてきました。その経験から確信していることがあります。
人は、聞かれてはじめて思い出す。取材してもらうから、思い出せるんです。ひとりで机に向かっても出てこなかった記憶が、「そのとき、どう思われました?」のひとことで、するすると言葉になる場面を何度も見てきました。
だから、お客様の声を集める作業は「書いてもらう」作業ではなく、「聞きに行く」作業です。質問は、読む人がたどる購買心理と同じ順番に並べます。
●1. 家づくり(リフォーム)を考え始めたきっかけは何でしたか?
●2. 他社と迷いましたか? どこを比べましたか?
●3. 最後の決め手は何でしたか?
●4. 打ち合わせで、いちばん印象に残っていることは?
●5. 工事中、不安になったことはありましたか?
●6. 住んでみて、暮らしがいちばん変わったことは?
●7. この会社を、どんな人に勧めたいですか?
「決め手は?」と聞いても答えが出ないときは
3番の質問は、そのまま聞いてもたいてい答えが出てきません。お客様自身が決め手を言語化できていないからです。そういうときは、場面で聞き直します。「契約の判を押す前の晩、不安はありませんでしたか? その不安が消えたのは、何があったからですか?」。場面を思い出してもらうと、言葉が出てきます。
答えが浅いときの追い質問は「たとえば?」「そのとき、どう思われました?」の2つで足ります。
例文を使うときの注意
ここでお伝えした文例はあくまで「型」です。固有名詞と出来事は、必ず自社の実際の工事の事実に差し替えてください。実際には起きていないエピソードを書くのは、脚色ではなく捏造です。読む人にも、いつか必ず伝わります。
逆に言えば、事実さえ取材できていれば、文章の上手さは要りません。型に事実を流し込むだけで、その会社にしか書けない文章になります。
取材して書くことの価値について、発注する側からの評価です。
→ お客様の声|株式会社住宅ブランドコンサルティング様
よくある質問(FAQ)
- お客様の声は、こちらで文章に整えてもいい?
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構いません。話し言葉を読みやすく整えるのはプロも行う編集です。ただし意味を変えないこと、掲載前に本人確認を取ることの2つは必ず守ってください。
- 声をもらうタイミングはいつがいい?
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引き渡し直後と、住んで1〜3ヶ月後の2回が理想です。直後は感動の言葉、住んでからは暮らしの変化の言葉が取れます。
- アンケート用紙とインタビュー、どちらがいい?
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書き慣れていない方が多いので、対話で聞くほうが濃い言葉が出ます。上の7つの質問を、雑談のように順番に聞いてみてください。
それから単純なことですが、「感想を聞く」ってことが会社のために大切な行為です。感想を聞いたり改善点を確認することで、引き渡しのセレモニーを「いい形」で終えることができます。
まとめ
お客様の声も担当者コメントも、上手く書こうとしなくて大丈夫です。場面のある事実をひとつ入れる。固有名詞をひとつ入れる。それだけで、どの会社にも貼れる言葉が、あなたの会社にしか書けない言葉に変わります。
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施工事例全体の書き方はこちら。
→ 施工事例の書き方|工務店が「選ばれる理由」まで伝える構成
お客様インタビュー記事を1本つくる手順はこちら。
→ お客様インタビューの作り方
文例を流し込む8項目のテンプレートと記入例はこちら。
→ 施工事例のテンプレート完全版|そのまま埋める8項目と記入例【工務店・リフォーム】
声と一緒に載せる写真の撮り方はこちら。
→ 施工事例の写真の撮り方|スマホでOK・撮るべき5場面とキャプション文例
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