「施工事例」と「施工実績」。同じものを指しているのに、会社によって呼び方が違います。ホームページのメニューにどちらを置くか、迷ったことはありませんか。
はぐくむの当ブログでも、この2つの言葉の扱いを決めていませんでした。この記事では、2つの言葉が検索の中でどう動いているか、はぐくむ(自社)サイトの実測データを出しながら、表記をどう決めて、本文にどう入れるかをまとめます。
「施工事例」と「施工実績」は、何が違うのか
言葉の響きとしては、こう分かれます。
施工実績は、件数や規模を示す言葉です。「年間120棟」「創業以来3,000件」のように、会社の信用を証明する方向に向いています。法人や元請けとの取引、公共工事の入札で求められるのは、こちらです。
施工事例は、一件ごとの物語を指す言葉です。どんなお客様が、何に困っていて、どう解決したか。これから家づくりを考える施主に向いています。
ただし、実際の現場ではこの使い分けは、ほとんど意識されていません。これまで、私の肌感覚では「施工事例」と呼ぶほうが多かったように感じます。
つまり社内でどう呼んでいるか?ホームページの制作会社さんがつけた呼び名がそのままサイトの見出しになっているのが現状です。それ自体は悪いことではありません。問題は、検索する人が、その呼び方に合わせてくれるわけではないことです。
検索する人は、どちらの言葉でも探している
うちのサイトの検索データ(Googleサーチコンソール、直近90日)を見ると、こうなっていました。
| 検索された言葉 | 表示回数 | 平均順位 | クリック |
|---|---|---|---|
| 施工事例 書き方 | 61 | 約15位 | 0 |
| 施工事例 作り方 | 40 | 約15位 | 0 |
| 施工実績 書き方 | 44 | 約17位 | 0 |
| 施工実績 作り方 | 27 | 約17位 | 0 |
「施工事例」で探す人が101回、「施工実績」で探す人が71回。合わせて約170回、はぐくむ(自社)の記事が検索結果に出ています。探している中身は同じです。施工事例(施工実績)のページを、どう書けばいいか。
そして、クリックは0でした。(ショボーン・・・)
順位が低いからだろう、と思っていました。ところが実際に「施工事例 書き方」で検索してみると、はぐくむ(自社)の記事は5位でした。1ページ目です。
表の「約15位」はサーチコンソールが出す平均値です。表示の少ない日や、別の言い回しでの表示が混ざるので、実際の順位より低く出ます。ここは分けて見る必要があります。
5位にいて、61回表示されて、クリックがゼロ。
順位を上げても、クリックは増えませんでした
理由は、検索結果のいちばん上にAIの回答が出ているからです。「施工事例の書き方」を聞いた人は、そこで答えを受け取って、下までスクロールしません。
はぐくむ(自社)でこの分野の主要な検索語を12個調べたところ、9個でAIの回答が表示されていました。例外のほうが少ない状態です。
つまりこの分野では、「順位を上げる」という目標の立て方が、もう通用しなくなっています。上げてもクリックは増えません。増えるのは、AIの回答の中で引用されることのほうです。
だからといって書かなくていい、という話ではありません。逆です。引用されるのは、書いてあるページだけです。書いていないページは、引用のしようがありません。
呼び分けを整える意味も、ここにあります。片方の言葉しか書いていなければ、もう片方で聞かれたときに、引用の候補にすら入りません。
はぐくむ(自社)が取りこぼしていた構造
では、なぜ言葉によって順位に差がついたのか。原因はふたつありました。
ひとつは、同じテーマの記事が2本あったこと。2年前に書いた古い記事と、今年書き直した新しい記事が、同じ言葉で検索結果に出ていて、評価が割れていました。これは8月に古いほうを新しいほうへ統合しました(この話は別の記事で書きます)。
もうひとつが、この記事の本題です。記事のタイトルにも見出しにも「施工事例」としか書いていなかった。本文に「施工実績」という言葉が、一度も出てこなかったのです。
Googleは、施工事例と施工実績が近い意味だと理解しています。だから「施工実績 書き方」で検索した人にも、はぐくむ(自社)の記事を検索結果画面に出してくれていました。ただし、その言葉がページに書かれていない分、順位は一段低くなってしまうのです。施工事例系が15位前後、施工実績系が17位前後という差は、ここから来ています。
この「表記ゆれ」は、編集の世界では気をつけなければいけないことの一つ。Googleも同じように、整合しているかを判断しているのでしょう。社内では「同じこと」でも、検索の中では別の言葉です。
直し方は3つ。順番に
① サイト内の表記は、ひとつに決める
メニュー、ページのタイトル、見出し。ここは1つの言葉に統一します。「施工実績」のメニューを開いたら「施工事例一覧」と書いてある、という状態は、読者にも検索エンジンにも、どちらが正式名なのか分かりません。
どちらにするかは、次の章で書きます。
② 本文の中に、もう片方の言葉を自然に入れる
統一した言葉と反対の言葉を、本文のどこかに、意味のある文として置きます。はぐくむの記事では、この一文を足しました。
「この分野は『施工事例』と『施工実績』の2通りの呼び方があります。施工実績は件数や規模を示す響きがあり、施工事例は一件ごとの物語を指す響きがありますが、検索する人はどちらの言葉でも探しています」
キーワードを並べるのではなく、呼び分けそのものを説明する。読者にとって意味がある文なので、不自然になりません。
③ 言葉ごとにページを分けない
「施工事例の書き方」と「施工実績の書き方」を別々の記事にすると、さっき書いた「同じテーマの記事が2本」の状態を自分で作ることになります。1本の記事の中で両方の言葉を扱うのが正解です。
どちらの言葉を選ぶかは、経営の判断です
最後に、①の「どちらに統一するか」です。
これは検索データでは決まりません。誰に選ばれたいかで決まります。
あえて意味を理解して使い方を分けるのであればこのように変えてみてはどうでしょうか。
元請けの仕事を増やしたい、法人や設計事務所からの依頼を取りたい、という会社なら「施工実績」。件数と規模が信用になる相手です。
施主から直接選ばれたい、家づくりを考えている人に読んでほしい、という会社なら「施工事例」。一件ごとの物語が、その人の判断材料になります。
両方の顔を持っている会社も多いと思います。その場合は、いちばん取りたいお客様に合わせる。ここは、外の誰かが決められることではありません。自社がどの相手に選ばれたいのかは、社内にしか分からないからです。
言葉の統一は、作業としては1日で終わります。でも「どの言葉にするか」を決めるところだけは、社長か、社内で広報を担う人が持ってください。そこが決まっていれば、あとの直しはAIでも外注でも回せます。
まとめ
施工事例と施工実績は、意味は近くても、検索の中では別の言葉です。検索する人は両方の言葉で探していて、片方しか書いていないと、もう片方で来る人を一段下の順位で迎えることになります。
表記は1つに統一する。本文にもう片方を意味のある文で入れる。ページは分けない。そして、どちらの言葉にするかは、誰に選ばれたいかで決めていきましょう。
施工事例そのものの書き方は、こちらにまとめています。
→ 施工事例の書き方|工務店が「選ばれる理由」まで伝える構成
工務店・リフォーム会社のSEO全体の考え方はこちら。
→ 工務店・リフォーム会社のSEO対策|地域で選ばれるローカルSEO3本柱
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