同じ言葉を、自社の記事どうしで取り合っていた|ブログのカニバリゼーションの見つけ方と直し方【工務店・リフォーム】

高橋かずえ
はぐくむ株式会社 代表取締役
2005年創業・住宅雑誌、住宅書籍の執筆実績あり。住宅会社(工務店・リフォーム・外壁塗装)に特化した広報支援をしています。

<ブログの記事を増やせば、そのぶん検索に強くなる>と、ずっとそう思っていました。

ところが、はぐくむ(自社)のブログを点検してみると、記事が多いことがかえって足を引っぱっていました。去年書いた古い記事と、今年書き直した新しい記事が、同じ検索語を取り合っていたのです。しかも、Googleが選んでいたのは古いほうで! 似たような記事を増やしても意味がないのです。やってみてわかることってありますねw

この記事では、はぐくむのブログで実際に起きたことを数字つきで書きます。見つけ方、直し方、そして直してから1か月でどうなったか。うまくいったものと、まだ結果が出ていないものの両方です。

目次

何が起きていたのか

はぐくむのブログには、2025年1月に書いた集客の記事がいくつか残っていました。そして2026年7月に、同じテーマを書き直した新しい記事を公開しました。

新しい記事のほうが内容は厚く、いまの考え方に合っています。ところがSearch Consoleを見ると、検索結果に出ていたのは古い記事でした。

「リフォーム会社 ブログ活用」の場合

この検索語で出ていたのは、2025年1月に書いた「集客効果を高めるリフォーム会社のブログ運営法!」です。7月末から8月21日まで、ほぼ毎日1回、15〜28位あたりに表示されていました。

同じテーマで7月10日に公開した新しい記事「工務店・リフォーム会社のブログ集客」は、同じ期間、この検索語では一度も表示されていません。

さらに、同じ時期に書いた「ブログでリフォーム会社の集客力アップ!」という記事もあり、同じテーマの記事が3本並んでいる状態でした。

「リフォーム 集客」の場合

こちらも同じ構図です。表示されていたのは2025年1月の「リフォーム会社が集客力を高めるための費用対効果の高い戦略」で、平均37位前後。7月に公開した集客の全体地図の記事は、8月20日までの25日間で、どの検索語でも合わせて10回しか表示されていませんでした。

これが「カニバリゼーション」

同じサイトの中で、複数の記事が同じ検索語を取り合うことを、SEOの世界ではカニバリゼーション(共食い)と呼びます。

Googleは、ひとつの検索に対して、同じサイトからたくさんの記事を並べることはあまりしません。似た記事が何本もあると、どれを出すか迷い、評価が分かれます。その結果、どの記事も中途半端な順位にとどまってしまいます。

ややこしいのは、Googleが「いちばん良い記事」を選んでくれるとは限らないことです。はぐくむの場合は、公開から時間がたっていて、あちこちからリンクされている古い記事のほうが選ばれていました。

ブログを長く続けている会社ほど、この状態になりやすいと思います。昔書いた記事を消すのはもったいない。だから昔の記事をそのまま残して、新しい記事を追加していきますよね。

カニバリの見つけ方|Search Consoleで5分

カニバリゼーションは、Search Consoleで確かめられます。

  1. ①「検索パフォーマンス」を開く
  2. ②上の「+新規」から「検索キーワード」を選び、気になる言葉を入れる(「次を含む」でかまいません)
  3. 表の上のタブを「ページ」に切り替える

ここに自社の記事が2本以上並んでいたら、取り合いの候補です。はぐくむの「ブログ活用」では、古い記事2本と新しい記事、それにブログのトップページまで並んでいました。

Search Consoleで「ブログ活用」を含む検索を絞り込み、ページ別に表示した画面
「ブログ活用」を含む検索に、はぐくむの記事が複数並んでいた(Search Console、2026年7月27日〜9月19日)。赤枠の上が今年の記事、下の2本が去年の記事

逆から確かめる方法もあります。新しく書いた記事のURLで絞り込み、「検索キーワード」のタブを見ます。狙って書いたはずの言葉が出てこなければ、別の記事がその言葉を持っていっている可能性があります。

ひとつ注意があります。表示回数が数回しかない言葉だと、平均順位は大きくぶれます。判断は、表示回数がある程度たまってからにしてください。

カニバリの直し方|はぐくむでやった統合の手順

はぐくむでは、8月20日と21日に、古い記事5本を新しい記事にまとめました。

古い記事(2025年1月)まとめた先
集客効果を高めるリフォーム会社のブログ運営法!ブログ集客の記事(2026年7月)
ブログでリフォーム会社の集客力アップ!ブログ集客の記事(2026年7月)
費用対効果抜群の集客施策4選Web集客の全体地図(2026年7月)
集客力を高めるための費用対効果の高い戦略Web集客の全体地図(2026年7月)
施工事例ページの書き方・作り方施工事例の作り方(2026年6月)

手順は、次の5つです。

① 残す記事を1本決める

同じテーマの記事のうち、どれを残すかを決めます。はぐくむでは、いまの考え方で書いてある新しい記事を残しました。

② 古い記事の良いところを移す

古い記事にしか書いていない具体例や、よく読まれていた段落があれば、残す記事に移します。古い記事を消すのではなく、中身を1本に集めるイメージです。

③ 古い記事のURLを、残す記事に転送する(301リダイレクト)

古いURLにアクセスした人を、自動で新しい記事に案内する設定です。WordPressなら「Redirection」などのプラグインで設定できます。これをしておくと、古い記事が受けていたリンクの評価も、新しい記事に引き継がれます。

④ サイト内のリンクを張り替える

ほかの記事から古い記事へリンクしている箇所を、新しい記事へのリンクに直します。転送があるので切れはしませんが、直接つないでおくほうが確実です。

⑤ Googleに見に来てもらう

Search Consoleの「URL検査」で、残した記事のインデックス登録をリクエストします。

1か月後、どうなったか

うまくいったほう|「ブログ活用」は1ページ目へ

統合した翌日の8月22日から、新しいブログ集客の記事が、この検索語で表示されはじめました。それまで一度も出ていなかった記事です。

最初は11〜14位。9月に入ってからは、おおむね6〜11位に入っています。古い記事が15〜28位だったので、同じ検索語で1ページ目まで上がったことになります。表示回数も、1日1回ほどから2〜3回に増えました。

Search Consoleで「ブログ活用」を含む検索の推移。8月21日の統合のあと、掲載順位の線が上がっている
「ブログ活用」を含む検索の推移(Search Console)。オレンジの線が掲載順位で、上にいくほど上位。8月21日に古い記事を統合したあとから上がっている

まだ結果が出ていないほう|「リフォーム 集客」

こちらは、統合から1か月たっても、Googleは古い記事のURLを表示し続けています。統合後の29日間で97回、平均41位。転送先の全体地図の記事への表示は、同じ期間で1回だけでした。

転送の設定をしても、Googleが古いURLを読み直して、新しい記事に置きかえるまでには時間がかかります。この記事の場合は、転送先の記事でもう一度URL検査をかけ、古い記事へのリンクが残っていないかを確かめるのが次の一手です。

2つを並べると、同じ作業をしても、効き方には差があることが分かります。統合は「やったらすぐ上がる」ものではありません。やったあとに、数字を見に行く必要があります。

もうひとつ、正直に書いておきます。1ページ目に上がった「ブログ活用」も、クリックはまだ0です。順位が上がっても、それだけでは読まれない。これについては、検索で1ページ目なのに、クリックがゼロだったに書きました。

どの記事を残すかは、経営の判断です

統合の作業そのものは、半日もあれば終わります。転送の設定もリンクの張り替えも、AIや外注に任せられる作業です。

でも、どの記事を残し、どの記事をまとめるかは、作業ではなく判断です。

はぐくむでも、統合しなかった記事があります。2025年1月に書いた外壁塗装会社向けの集客記事です。テーマは近いのですが、読んでほしい相手が違います。工務店ではなく塗装店の経営者です。まとめてしまうと、その人たちに向けた入口がなくなります。だから残しました。

どのお客様に向けた記事を残すのか。それは、自社がこれから誰に選ばれたいかで決まります。外の人間が数字だけを見て決められることではありません。

記事の整理は、作業としては誰でもできます。ただ「どれを残すか」を決めるところだけは、社長か、社内で広報を担う人が持ってください。そこが決まっていれば、あとの作業はAIでも外注でも回せます。

よくある質問(FAQ)

キーワードのカニバリゼーションとは何ですか?

同じサイトの中で、複数の記事が同じ検索語を取り合っている状態です。Googleがどの記事を出すか迷って評価が分かれるため、どの記事も中途半端な順位にとどまりやすくなります。

カニバリゼーションは、どうやって見つけますか?

Search Consoleの「検索パフォーマンス」で気になる検索語に絞り込み、「ページ」のタブを見ます。自社の記事が2本以上並んでいたら、取り合いの候補です。

古い記事は削除したほうがいいですか?

削除よりも統合がおすすめです。古い記事の良い部分を残す記事に移し、古いURLは301リダイレクトで新しい記事に転送します。古い記事が受けていたリンクの評価も引き継げます。

統合してから効果が出るまで、どのくらいかかりますか?

はぐくむの場合、早いものは翌日から新しい記事が表示されはじめ、1か月で1ページ目に入りました。一方で、1か月たってもGoogleが古いURLを出し続けている組もあります。統合したら、1か月後に数字を見に行くことが大切です。

まとめ

記事を増やしたのに順位が上がらないとき、原因は外ではなく、自社の中にあることがあります。古い記事と新しい記事が、同じ言葉を取り合っているかもしれません。

Search Consoleで検索語を絞り、「ページ」のタブを見る。自社の記事が2本以上並んでいたら、統合を考えるタイミングです。残す記事を決め、中身を移し、転送をかけ、リンクを張り替え、Googleに知らせる。

そして、直したら終わりにせず、1か月後に見に行く。

はぐくむでは、1つは1ページ目に上がり、1つはまだ動いていません。その差を見ることまで含めて、SEOの作業です。

工務店・リフォーム会社のSEO全体の考え方は、工務店・リフォーム会社のSEO対策はローカルSEOが本命にまとめています。言葉の呼び分けで検索を取りこぼしていた話は、「施工事例」と「施工実績」、どっちで書けばいい?に書きました。

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この記事を書いた人

高橋 かずえのアバター 高橋 かずえ 代表取締役

はぐくむ株式会社 代表取締役 高橋かずえ|2005年創業。工務店やリフォーム会社の「伝える」を、22年支えてきました。

住宅業界を専門にするインタビューライターとして、そして工務店・リフォーム会社の広報を支援する伴走者として活動しています。2005年に独立し、「はぐくむ」を立ち上げました。以来、経営者・職人・現場監督、そして家を建てたお施主様まで、これまでにインタビューをした方は1,000人を超えます(導入事例、お客様の声、採用、経営者インタビューなど)。住宅そのものの取材は500件以上になりました。

住宅雑誌への執筆から、街の工務店さんの広報媒体、ハウスメーカーの制作物まで、幅広く手がけています。

kazue(at)hug-kumu.com  ※(at) を@に直してご連絡ください。 

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