工務店・リフォーム会社の認知度を上げるメディア掲載入門——露出は「待つ」のではなく「つくる」もの

工務店の広報_プレスリリース
高橋かずえ
はぐくむ株式会社 代表取締役
2005年創業・住宅雑誌、住宅書籍の執筆実績あり。住宅会社(工務店・リフォーム・外壁塗装)に特化した広報支援をしています。

工務店・リフォーム会社の認知度が上がらない最大の原因は、腕が悪いからではなく「待ちの姿勢」と「点の発信」にあります。メディアは向こうから見つけてくれるものではなく、こちらからネタを届けてつくるものです。
記者は地域のネタをいつも探しているため、地域性・季節性・人の物語がそろった情報は掲載されやすくなります。露出の入口は地域紙・業界誌・Webメディア・ラジオ・自治体広報・受賞・イベントと複数あり、自社に合うものから始めれば十分です。
掲載されたら終わりではなく、HP・SNS・営業資料へ横展開してはじめて認知度は積み上がります。どのネタをどこへ届けるかという判断を社内に残すことが、続けられる広報の条件です。

「いい家をつくっているのに、地域で知られていない」——多くの工務店が、この悔しさを抱えています。
完成見学会に来るのは既存客の知り合いばかり。地元の人に社名を言っても「どこの会社?」と返される。一方で、技術では負けていないはずの同業他社が、新聞やテレビに取り上げられていく。
この差は運でも規模でもなく、露出を「つくる」動きをしているかどうかの差です。

この記事では、住宅業界で1,000人超を取材してきた立場から、メディア掲載の仕組みと、工務店が今日から使える露出のつくり方を体系的に解説します。

目次

認知度が上がらない理由は「待ちの姿勢」と「点の発信」

認知度が上がらない工務店に共通するのは、掲載を待っていることと、発信がバラバラなことの2点です。
まず「いい仕事をしていれば、いつか取材が来る」という待ちの姿勢。残念ながら、記者はあなたの現場を見に来ません。知らないものは記事にできないからです。

もうひとつが「点の発信」。SNSを思いついたときに更新し、見学会の告知だけチラシを撒き、それぞれがつながっていない状態です。
点の発信は、受け手の記憶に「線」として残りません。何の会社なのか、何が得意なのかが伝わる前に流れてしまいます。裏を返せば、こちらからネタを届け、発信に一本の軸を通すだけで、認知度の伸び方は変わります。

発信の軸のつくり方は、工務店 広報で詳しく解説しています。

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メディア掲載の仕組み——記者は地域のネタを探している

メディア掲載は「選ばれる」ものではなく「情報を届けた会社から生まれる」ものです。

ここが最大の誤解です。地方紙の記者も、地域のフリーペーパーの編集者も、ラジオ局のディレクターも、毎日・毎週、誌面と番組を埋めるネタを探し続けています。

取材先が足りなくて困っている日すらあります。つまり、地域の話題性ある情報を、記者に届く形で送ることができれば、掲載の可能性は十分にあるということです。取材してきた実感でいえば、掲載されている会社は特別な会社ではなく、届ける習慣のある会社です。

届ける手段の中心がプレスリリースで、書き方と送り方は「PR・プレスリリースの記事」で手順化しています。この記事では、その手前にある「どこに、どんな露出をつくるか」を整理します。

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露出のつくり方——工務店が使える7つの入口

露出の入口は7つあり、全部やる必要はなく、自社に合う2〜3から始めれば十分です。

(1)地域紙・地方紙:地域面は地元ネタを常に求めています。認知度への効果がもっとも直接的です。

(2)業界誌・住宅雑誌:施主より同業や協力業者に届きますが、「雑誌に載った会社」という信頼の証明になります。

(3)Webメディア:地域ポータルや住宅系Webは掲載のハードルが比較的低く、記事が検索に残り続けるのが強みです。

(4)ラジオ:地域FMは出演者を探していることが多く、社長の人柄がそのまま伝わる媒体です。

(5)自治体広報:移住促進、空き家対策、防災など、自治体の施策と絡む取り組みは広報誌に載る可能性があります。

(6)受賞:地域の建築賞やデザイン賞は、応募すること自体が露出の種になります。受賞すればそれ自体がニュースです。

(7)イベント:親子向けの木工教室や構造見学会は、それ自体が取材対象になります。

媒体選びで迷ったら、「自社のお客様がふだん何を見ているか」から逆算してください。

掲載されやすいネタの型——地域性・季節性・人

記者が取材したくなるネタには型があり、「地域性×季節性×人の物語」の掛け合わせで考えると外しにくくなります。

「新商品を出しました」だけでは記事になりません。記者が求めているのは、読者である地域の人が「へえ!」と思う話です。

たとえば、地元の山の木を使った家づくり(地域性)、夏休みの親子木工教室(季節性)、職人歴40年の棟梁の技を若手に継ぐ取り組み(人の物語)。

このように、自社では当たり前になっている日常の中に、外から見ればニュースになる種が眠っています。取材の現場で1,000人超のつくり手の話を聞いてきて確信しているのは、「うちにはネタがない」という会社ほど、掘れば出てくるということです。

はぐくむのお客様では、健康経営の取り組みについてプレスリリース配信し、会社の社員に貢献する姿勢をPRしました。すると、業界紙に取り上げられるだけでなく、採用は安定。どんどんメディアがメディアを呼んでくる好循環をしています。

掲載後が本番——HP・SNS・営業資料への二次活用

メディア掲載の価値の半分以上は、掲載後の横展開で決まります。

掲載記事をそのまま眠らせるのは、もっとももったいない使い方です。

まず、HPに「メディア掲載実績」のページをつくり、掲載媒体と日付を蓄積します。1件でも構いません。次にSNSで「〇〇新聞に掲載いただきました」と発信すれば、それ自体が信頼性の高い投稿になります。さらに営業の場面では、記事のコピーを商談資料や見学会の受付に置くだけで、「第三者に認められた会社」という空気が生まれます。

自社で「うちは良い会社です」と100回言うより、新聞記事1本のほうが強い。これが第三者の目の力です。掲載は点で終わらせず、HP・SNS・紙の資料へ流す仕組みまで含めて設計してください。

認知度づくりの「判断」は社内に残す

メディア露出は外部パートナーの力を借りてよい領域ですが、「どのネタを、どこへ、どう見せるか」の判断だけは社内に残すべきです。

ネタの発掘や文章化、媒体リストの整備といった作業は、AIや外注でかなり効率化できます。一方で、自社の何を地域に知ってほしいのかという判断まで丸ごと外に預けてしまうと、掲載はされても「自社らしくない露出」が増え、担当が替わった瞬間に何も残りません。属人化と判断ごとの丸投げは、認知度づくりのいちばんの敵です。理想は、判断の物差しを社内に育てながら、作業をAIと外部で回す体制。小さな工務店でも、この形なら無理なく続けられます。

よくある質問(FAQ)

小さな工務店でも本当にメディアに掲載されますか?

されます。地域メディアの記者が探しているのは会社の規模ではなく、地域の読者が興味を持つ話題です。地元の木を使う、珍しい技術を継承しているなど、小さな会社ならではの物語はむしろ取材対象になりやすい傾向があります。

掲載までにどのくらいの期間がかかりますか?

一概には言えませんが、即効性を期待しないことが大切です。ネタを整理し、リリースを送り、記者との接点をつくる活動を続けて、数か月単位で最初の掲載につながるのが現実的な感覚です。継続するほど確率は上がります。

メディアへの売り込みは迷惑がられませんか?

読者にとって価値ある情報であれば、迷惑どころか歓迎されます。記者はネタを探す立場だからです。避けるべきは、宣伝色だけが強く読者メリットのない売り込みです。ネタの型を押さえた情報提供なら心配いりません。

広告掲載とメディア掲載はどう違いますか?

広告は費用を払って自社の言葉で載せるもの、メディア掲載は記者という第三者の判断で記事になるものです。費用がかからないうえ、第三者の評価として読まれるため、信頼への効き方が大きく異なります。両者は併用も可能です。

まとめ

認知度は、待っていて上がるものではありません。記者は地域のネタを探しているという事実を知り、地域性・季節性・人の物語でネタを型に落とし、地域紙・ラジオ・受賞など自社に合う入口から届ける。掲載されたらHP・SNS・営業資料へ横展開する。この流れを、判断は社内に残したまま回し続けることが、地域で選ばれる工務店への確かな道筋です。まずは自社の日常から、ネタの種をひとつ探すところから始めてみてください。

「うちのネタがメディアに通用するのか、自分たちでは判断がつかない」——そんなときは、外の目を一度入れるのが近道です。

はぐくむ株式会社では、広報の判断力を社内に育てながら、作業はAIと外部で効率化する体制づくりを支援しています。1,000人超の取材経験から、貴社の中に眠るネタの種を一緒に探します。

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この記事を書いた人

高橋 かずえのアバター 高橋 かずえ 代表取締役

はぐくむ株式会社 代表取締役 高橋かずえ|2005年創業。工務店やリフォーム会社の「伝える」を、22年支えてきました。

住宅業界を専門にするインタビューライターとして、そして工務店・リフォーム会社の広報を支援する伴走者として活動しています。2005年に独立し、「はぐくむ」を立ち上げました。以来、経営者・職人・現場監督、そして家を建てたお施主様まで、これまでにインタビューをした方は1,000人を超えます(導入事例、お客様の声、採用、経営者インタビューなど)。住宅そのものの取材は500件以上になりました。

住宅雑誌への執筆から、街の工務店さんの広報媒体、ハウスメーカーの制作物まで、幅広く手がけています。

kazue(at)hug-kumu.com  ※(at) を@に直してご連絡ください。 

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